28th January ,2019

モノヅクリを考える。。。

見る人にはわかるかもしれない 10年前に建築家の設計で建てられた廿日市の住宅

入った瞬間にズシッと心に建築家からのメッセージが入ってきた
暮らしやすいとは程遠いその建築に、オーナーさんは心地よい暮らしをされていた

お風呂に行くにも一度外に出なきゃいけない
照明はほとんど無い

「照明が少なくて視力が落ちてしまったわ」と笑いながら語り、でもどこか幸せそうな空気をもっていた

「この住宅に満足していますか?」
僕がそう尋ねるとオーナーさんは即答で 「はい!」

なんだかとても嬉しかった

デザインってこういうことなんじゃないか

 

僕はそう思った

最近よく思うことがある
世界は常に便利なものに向けひたすら走っている
いったいその先に何があるんだろう
効率化×効率化でどんどん余白が無くなっていく
かつては当たり前に行っていた行為も 今はしなくて済むようになった

それで得たもの 失ったもの・・・

 

谷尻誠氏ともそんな話をしたが、物事は表裏一体だ
プラスマイナス0

 

何の為にモノは出来ていくんだろう

 

楽するため・・・いや、そうじゃない

 

新たなことを生み出すためだ

 

やらなくて済むようになり、そこで得た時間を使い新たな価値を生み出すために使う

 

常に人間は、考えるか、動くかしなきゃ退化していく生き物だ

 

AIはどんどん学習能力を高めている
そんな時代に僕たち人間ができることは何なのか

 

僕にはまだわからない

 

それでも、この建築は大きな希望と豊かさを、受け取れる能力のある人に、ちゃんと建てられた気がした

建物や庭、カタチだけを見てその価値を定めることはできない

そこには、そこで営む人がいる

その人にとってどんな気付きを与えることができたのか
その建物に出会わなかったら気付けなかったことがあったはずだ

 

 

これこそ デザインの存在意義だと僕は思う

 

 

庭をつくるみんなにも考えてほしい

カタチが大事なんじゃない

それをつくることで何が生まれるのか

つくりたくてつくったものがあってもいい
でも、それによってちゃんと先に進んでいるのか
その時よりも多くの人を感動させることができるようになったのか

それは出来上がったモノだけではだめなんじゃないか

 

プレゼンでそこにつくり始めるまでのプロセス

つくる過程での会話と行為

仕上がってから何をし、どう動くのか

その時々で 人の心に響くことが何なのか

 

すべてを含めモノづくりだ

 

もちろん、感動させられなければそれまでの会話は薄れる

 

だから いいものつくらなきゃ

スキルも五感も磨かなきゃ

 

 

そんなことを考えさせてくれた 建築家 村上徹氏 に敬意を表します

 

 

心してこの空間に挑む

頭の奥にある うっすらみえる景色を捻りだす

いつになるのか 生み出したときがスタートです。。。

 

 

15th January ,2019

STAFF WANTED

STAFF 並びに 職人さんを募集しています。

LANDSCAPE NIWATANでは、主に空間のデザイン(住宅、店舗、商業・公共空間など)・施工・管理 を自社で行っています。
内部、外部に限らず『庭』をキーワードに、庭師、大工、左官、石工、鉄工、照明、看板・・・など様々な分野の技術を用い、すべてをデザインし施工する「モノヅクリ」のチームです。

モノづくりはつくりたいモノをデザインすると思われがちですが、そうではなくそこにある空間、関わる素材、営むヒト、それをツクル職人により大きく変わってきます
その素材にどんな魅力が存在するのか、過剰なアピールをしていないか、それぞれを活かせているか。。。など、多くの関りがデザインを変えていきます
それは関わるヒトも同じなのです
どんな職人がそこに関わってくれているのか、その一人一人のスキルと心を活かしきれているかで後に大きな力の差になります

これから庭に関わる仕事に興味のある若者はもちろん、同業種で経験を積まれた方、また他業種(土工さん、左官さん、大工さん、鉄工職人さん他、あらゆる分野)でそれぞれが培ってきたスキルを生かしながら何か新しいことに挑戦したい方など幅広い人材で楽しい仕事をしていきたいと考えています。

興味のある方は [info@landscape-niwatan.com] までお気軽にお問い合わせください。

同時に、独立して一人で頑張っておられる庭師さんの応援も大歓迎です。
幅広い技術と経験で活躍の場を求めて来てくれる方を心よりお待ちしています。

尚、 メールには経歴・スキル・趣味・連絡先など 自己アピールを記載し応募してください。

.LANDSCAPE NIWATAN DESIGN+ARTISAN OFFICE works planning・operation・management of space design (taking in green at housing, shop, business・public space ) at our own company.
With keyword ”Garden・Greening”, Gardener,Carpenter,Plasterer,Mason,Lightning,Signboard, and etc…
We are the team of “Monozukuri” designing and operating everything.
Now, space producing taking in green is demanded around the world.
In this situation, we ask you to be involved in a job making use of technique and sensitivity.

Please feel free to ask at [info@landscape-niwatan.com/]

11th June ,2017

誰のために庭をつくるのか。。。

[canyon]…表札とお社製作を残し、一旦完成

15メートルの流れを8トンの石を使い渓谷をつくった
流れはデッキの下を抜け、玄関わきに抜ける

とても心地のよい空間に仕上がった

今回も4月5月は滋賀県から「庭職きらく 村田康之」、東京から「矢島武庭園 矢島」、6月は神奈川から「湘南庭風 西窪周二郎」それから番頭のたつきと仲間のよしのぶ、KOKORONEの原田など多くのメンバーが応援に来てくれた

最後に50㎡の駐車場土間 ビシャン仕上げがあり、4日半ビシャンを打ち続けた

最後の最後に修行のような時間が待っていたように思う
自分との闘いだった

いつも思うことがある

庭は誰かのためにつくるものだと。。。

もちろんそれは自分のためにつくるという人がいてもいい

ただ、おれは違う

自分のためにつくることに力が湧いてこない

相手がいてこそアイデアが湧きだしてくる

誰のために、どこにつくるのか。。。

とても重要なことだと思う

空間をつくる上で最も大事なことだと思ってる

それを追求すればそこにしかない最高のものが生まれる

周りの空気と、そこで営む人の空気を最大に生かせれば必ずいい空気はできる

そこに小手先の技術は必要ない

必要なことは、様々な経験からくる空気の読みと苦しい状況から逃げない忍耐力だと思うのです

その空気を読むためにいろんな経験、スキルが必要になってくるのです

やるか、やらないか。。。

これはすべてのことに繋がってくる

何をやってても同じです

そして、もしそれができて最高のものができたとしてもそれが最高ではないことを心に刻むことが何よりも大事なことだと思う

来週から新たな「流れの庭」に入ります。。。

応援募集です
興味のある方、お待ちしています。。。

 

28th March ,2017

仕事って・・・そしてスタッフ、応援、オープンワークの募集です。。。

石で作ったワインクーラーの水抜きキャップ。。。

なぜこうなったのか。
水鉢が大きく、常に水が溜まると抜くのが大変な上にいつも掃除しなくてはならなくなる
これが毎日続くのはつらいだろうな。。。
いずれ水は汚れ、ボーフラが湧く・・・
俺だったらこんなのあったら面倒くさいな・・・と思った

かっこいいものつくってやろうと思ったわけではない
でも、いい空気にしたいとは常に思ってるし、かっこ悪いものはもちろんつくりたくない
ただ、これを使う人がウキッとする瞬間が長く続くにはどうしたらいいのか。。。
そう考えた時、アイデアは生まれる

ふとアイデアが見えてきてそれをカタチにおこす

もちろんうまくいくことばかりじゃない
むしろうまくいかないことの方が多いかもしれない

それでもまたアイデアを出す
失敗を失敗にしたくないから、失敗は成功のきっかけだと理由をつけてさらに改良する

素材、カタチ、寸法・・・
最後はミリ単位で調整する

そして、バチッと空気にはまるものができる

そしてそれを見て喜んでくれる人がいる
そしてその姿を見て喜ぶ人がいる
そしておれも嬉しくなる

喜びが連鎖していく

これが仕事の原点だと思う

先月、小学校で授業を行った
「仕事について」という内容だった

ここで伝えようと思ったこと・・・

それは仕事は探すものではない、つくるモノだということです

特に小学生なんてもっと自由でいいなと思うのです
もちろん、どんな仕事があってどんなことをやっているという知識は入れるべきです

でも、重要なことは自分が何をやりたくて、何をやっている時が一番楽しいのかを知るということです
そして、次にそれが人に喜ばれることなのかを考える
もし、それで自分がやりたいことをして人を喜ばすことができればそれは仕事になる可能性があるということです
だから、こうしたいと思った時にそれは自分がうれしいだけなのか、それともそれによって誰かが喜んでくれるのかを常に考えてほしい

自分が嬉しいだけのことは「趣味」にすればいい
だれかが喜んでくれることは「仕事」になる

だから、それを見つけるためにやりたいと思ったことはたくさんやってみてほしい
それを小さいころから多くやればやるほど、自分がやりたいこととやりたくないことの分類ができる

そうやって「仕事」をみつけるんだよ

 

そんな授業をしながら、いろいろ考えてしまいました

ということで、スタッフを募集します
経験未問ですが、造園経験者はもちろんありがたいです
土木経験者、左官さんなど他業種の職人さんの転職も大歓迎です

同時に、応援、オープンワークも随時募集しています

詳しくはコチラから

ご応募お待ちしています

Recruitment of staff is here…https://landscape-niwatan.com/recruit

17th March ,2017

手入れという仕事。。。

長期作庭中の現場は、材料待ちでもう少しというところで中断。。。
ここ最近は、まだ回れていない手入れに回っている
優しいクライアントでみなさん何も言わず待ってくれている
ほんとに感謝の気持ちでいっぱいの中、この時期にふさわしい鋏を入れていく

少し手入れについて書きたいと思う。
これは、あくまで自分自身の考え方であり、すべての庭師がそうでなければならないと思っていないのと、だれを責める気持ちもないので参考までに読んでほしい

ある出来事があった

庭の手入れというのは、クライアントと長い間のお付き合いになる
若かったクライアントも段々歳をとり、管理していくことが苦痛になってくる方もいらっしゃる

先日こんな事があった

「もう大変だからあの大きい樹を軒下くらいのとこでぶち切ってくれ・・・」

「はぁ・・・」

おれは何となく寂しい想いになったが切ってくれと言われた現実も受け入れざるを得なかった
長い付き合いの中でその状況も来るだろうと予測していたからだ

一旦その言葉を飲み込み、「わかりました」と返事した
実はその時の僕の心の中は悲しさと悔しさと申し訳なさで力が抜けるほどがっかりしていた

庭師の手入れというのはどういう仕事なのかを少しわかりやすく説明しときます

庭師、植木屋、造園屋・・・今は色んな呼び方がある
でも、僕にとっては呼び方なんてどうでもよく、何でもいいと思ってて、やっていることがみんな同じだとも思っていない

僕がやっていることは、空間のスタイリストみないなものなのです

手入れにしてもそう
庭や建築、背景の景色、そしてそれぞれの樹木の成長具合から空気を読み取り、心地よい空間に仕上がるよう鋏を入れていく
そして、その樹木がその樹らしく育つことができるようバランスをとっていく

樹のスタイリストです

ただバスバス切っているように見えるかもしれないし、そういう人もいるかもしれない
でもそれは違います
樹は切れば切るほど不自然になり暴れる
ただ、その樹の性質を把握することができればその樹の成長を止めることができる
厳密にいえば、落ち着いて成長するので見にくい伸び方をしなくなるのだ

そうやって、その樹らしいその樹が一番かっこよく育つことができるように鋏を入れる
無理やりかっこよくするのではなく、その樹の個性を信じ伸ばすのです
そうすることにより、その樹は手入れした後の木の輪郭を崩さなくなる
結果、鬱陶しさがなくなるのです

以前の記事に書いているが、僕は2歳の時に二階の窓から転落し、一本のカイズカイブキに乗っかって命を救われた

その後その出来事を忘れるも、15歳の時に再び思い出すこととなる

その樹の伐採話が持ち上がったのです

子供ながらにそれまで思い出すこともなかった自分の命を救ってくれた樹を切ることに罪悪感を感じ、移植してほしいと頼み込みその樹は命を取り留めた

しかし、その樹を移植するため訪れた庭師にこう言われた

「こんな樹は移す価値がない。買ってきて植える方が安い。」

俺はむかついたことを今でも忘れない

それから5年後、また忘れていたその出来事を思い出すことになる

奨学金で大学に行きながらアルバイトが必須だった頃、大工という仕事を探していたところ縁ある方から庭師というアルバイトの話をいただいた

俺は何も考えず、どんな仕事かもわからなかったがとりあえず職人みたいな感じだしと思い「お願いします」と返事した

そこでの初日、手入れに行った現場でハッとする

その庭の骨格をつくる一番大事な主木に5mほどの大きなカイズカイブキがそそり立っていた

「あ・・・おれの命を救ってくれた樹だ・・・」

初日から鋏を渡され、カシャカシャ切っているうちに何か感じるものがあった

 

「これが自分の仕事になる・・・天職かもしれない」

 

不思議とそう思った
それから、楽しくまたとても厳しい過酷な修行時代が始まった

修行時代の話や、NIWATAN という屋号にした理由も以前書いているのでそれを読んでほしい
今日はそのことは省きます

それからは色んなことがあった
そんな中、多く考えさせられたのが人々が持つ「樹」に対する気持ちでした
あまりに鬱陶しいと言われる樹が多かったのです
ずっとそれを聞いているうちにだんだんとその樹たちのことが可哀そうに思えてきた
その言葉を聞くたびに、どうにかこの樹たちを褒めてもらえる樹にできないかと考えるようになるのです

独立してから、従来親方から教わった鋏の入れ方を少しずつ変えた
樹の成長に合わせた鋏の入れ方にした
手入れに行っても、切らなくていい樹は鋏を入れない
一本の樹を眺めその判断を自分ですることも手入れの一つの仕事だ
クライアントにとっても手入れするお金もゴミ代もかからないわけだからいいんです

そうやって樹と真摯に向き合ううちに、樹の気持ちがわかってきたというか、性質がわかってきた

すると、樹の成長をコントロールできるようになった

結果、鬱陶しいという言葉は聞かなくなり、伐採してほしいという案件もほぼ無くなった

 

「俺は今、樹の命を救ってる・・・

俺があの時命を救われたのはこういう事だったのか・・・」

 

樹の気持ちを代弁できる職業は庭師以外にはない
自分がそれに気付き、感じることができるなら、それを伝えられるのは自分しかいないのかもしれない・・・
そう思うようになった
もちろん、それは樹のことだけではなく、石、素材、自然界のあらゆることを・・・

樹の命を救う
これは、ただ単に生かしておけばいいわけではない
かっこよく生きてもらいたいのです
おれが、自分なりに自信をもって「お前はかっこいい」と言えるように育ててあげたいのです

で、先ほどの話に戻りますが、「ぶち切ってほしい」・・・久々に聞いた言葉でした

それを聞いた時のおれには二つの気持ちが浮かんだ

一つは、その樹を守れなかった自分の技術と言葉の無さに樹に申し訳ない気持ち
もう一つは、「このままぶち切るという気持ちでは切れない」という気持ち

おれはクライアントを呼び、言葉をかけた

「軒下部分で切ってもまた3年もすれば元の大きさにに戻ります。しかも不格好な伸び方で。僕はそんな姿になるこの樹が可哀そうに思います。人間で言えば、裸にされてダッサイ服着せられて立たされるようなもんです。だから下から切ります。今の時期なら下から切っても吹き返します。そして、この樹らしくかっこよくコンパクトに裁いていきます。それでいいですか。

ただ、一つお願いがあります。あの樹を切る前に一度、樹に頭を下げてください。今まで100年近くこの家で育ってくれたんです。切らなければならない事情は理解できます。樹もきっとわかってくれます。これを植えたご先祖様も、もちろんあなたたちのことが大事だと思います。だから、あなたたちの選択は間違っていません。僕も嫌なわけではないんです。ただ、この樹にありがとうと感謝の気持ちを持ってください。ぶち切るという言葉は使ってはいけません。これは気持ちの問題です。樹も生きています。。。」

 

そう語りかけ、そしてその後、僕がなぜ庭師になったのかを詳しくお話しした

そしてクライアントはしっかりと感謝の気持ちを樹に伝えてくれた

樹を伐採したり切ったりすることが悪いわけではありません
自然界では何かが生きるために何かが犠牲になりバランスが取れています
気付かず間違ったことをしているかもしれません
それも仕方ありません
でも自然に対する感謝の気持ちだけは持っていてほしいなと思うのです
それは人にも繋がってくると思います

私たちは人間界に生きています
だから、人々の営みは非常に重要で、それも守らなければいけません
人が鬱陶しいと思う気持ち、庭で感じるストレス、そう思う人が悪いとは思いません
人の気持ちというものは、教科書のようにうまくはいかないのです
そう思ったらそれが大事な気持ちなのです
その気持ちを解消させることも庭師である私たちの仕事なのです
それをどう、解消させるかがその庭師の力量で結果は変わる
その後の人生にもプラスになる出来事がその庭で生まれればそんな嬉しいことはないと思います

手入れは、そんなことも考え、鋏を入れていくのです
樹の成長をコントロールできればゴミの量が減ります
2年に1回の鋏でいい樹もたくさんあります
はじめの3年鋏を入れた後、10年鋏を入れていない樹もあります
管理費も無駄な使い方をさせたくはないと思っています

庭の管理には手がかかります

庭は必ず必要なものではありません

でも、絶対に必要だと思ってくださっているクライアント他、多くの人々がいます

その方々に感謝しながら、しっかりと真摯に手入れをしたい

その樹の良さ、石の良さ、空気の良さを最大限に引き出せる技術と感覚を磨きながら・・・

そして、その植物、石、自然の景色は多くの生きるヒントを持っています
もちろん、それを無理強いするつもりもありません

考え方はひとそれぞれでいいと思っています

ただ、せっかく出会えた人には、こういうことも伝える機会があれば遠慮なく伝えようと・・・

そんな想いで手入れをしています

少しコムズカシイ文章になりましたが、庭の手入れとはそんなものです。。。

人も自然も、自然にあることを受け止め、それをどう対処するかを考えていけばいいのだと思います
これはどの職業、生き方でも同じことがいえるかもしれません

 

今度はいつか 庭づくり について書きますね

12th February ,2017

日本人であるということ。。。

 

 

気付けば前回のまともな更新が半年前。。。
2016年は、年初めからシンガポールやカンボジアを行き来し、7月からは1ケ月シンガポール、8月はカンボジア、帰国しては現場に入る忙しい毎日だった

カンボジアではレストランの設計が進行中。
シンガポールでは即興に近いスピード感でたくさんのworkerと共に現場を進めた
住宅は仕上げを残しほぼ完成した
GARDENS BY THE BAY ではグリーンウォールも作った
日本では緻密な設計の現場を数件同時進行し、ゆっくりと進んでいた

ほんとうに様々なスタイルでの空間づくりが、様々なことを考えさせてくれた

間もなく広島・福山で8ケ月という長い工期をかけて進めてきた現場が完成する
建築事務所 kitokitoと共に設計をはじめて3年。建築前に移植工事に入ってからは2年4ケ月が過ぎた

沢山の仲間に手伝ってもらいゆっくりと進めてきた
玄関土間の石畳から始まり、石積、流れ、植栽、木工、左官、照明、見えない部分では解体、土壌改良、排水工事などそのどれもに気を使い進めてきた

この現場には、入る前から多くの壁が立ちはだかった

そんな中で踏ん張り立ち続けることは容易ではなかった
ただ、今となってはその苦しさが心地よく残っている

この現場の土地には入る前からすさまじいパワーを感じていた

このパワーに答えなければならない
このパワーを何とか引き出さなければと想う一心で何があっても立ち続けてこれたんだと思う

古くから受け継がれてきたここが持つ空気は、優しい力でクライアント一家を包んでいるように見えた
完成が近づき、そう見えたことで少しホッとした

庭とは、デザインとはそんなものだと思う

つくりたいものがあるんじゃない
守りたいものがあるんだ

伝えたいことがあるんだ

気付けない人に気付ける方法を授けることができるのがデザインなんだ

それはどこにでもあるカタチではなく、そこにしかないカタチの組み合わせ

海外に行ってよく思う

日本庭園は、日本にあるから素晴らしいんだ

日本は素晴らしい
でも、素晴らしいのは日本だけじゃない
世界は広い
素晴らしいこと、人、もの、たくさんある

ただ、日本では日本が一番生きる

土地の力を見きる
そして植物、素材の力を見きる

これが庭師の本領です

すべてを生かす

景色も、気候も、建築も そして人の営みも。。。

それが 庭師 作庭家 造園家 だから庭だけ見ててはだめなのです

オールマイティにフラットに

本質がすべてなのです

絶対に変わらないこと それは私たちは日本人であるということです

8ケ月、完成まであと少し
気を引き締めて

まだわかりませんが、オープンハウスをすることになれば春に予約制で行うつもりです。。。
その際はここでお知らせします

31st December ,2016

ありがとう。。。2016

2016年も終わろうとしています。。。

たくさんの人と出逢い、たくさんの人に助けられ、たくさんの文化に触れ、生きることを考えることができた一年でした

生きるというのは簡単だけど、自分を生きるということは本当に難しい
自分と向き合い、自分を信じ、やり続ける

そうすることで誰かが必要としてくれれば最高です

今年はアジアに出る機会も多く、いろんなチャンスに出逢えました

いろんなことがあったけど、チャレンジし、失敗し、チャレンジし、失敗しの連続でした
ただただ、目の前にくる壁を乗り越える
その連続でした
いろんな方に迷惑をかけることもありました

得るものもありました

失うものもありました

それが2016年、一番印象に残ることでした

答えなんてありません
できることを精一杯やる
それでできることが今の自分のスキルだと思うんです

そして、2017年もさらに真摯に向き合っていこうと思います

もっといい空間をつくりたい

もっといい営みをつくりたい

ありがとう。。。2016年

29th June ,2016

秘める。。。

歩きたいときに歩けない。

歩きたくないときに歩かなくてはいけない。

生きるってそんなもんだなとよく思う

人それぞれいろんなものを背負っている

今は何となく踏ん張って止まってるって感じ・・・

でも細胞がウズウズして動きたがっているのがよくわかる

でももう少し、、、ぐっと堪えて。。。

 

そんな時もある。誰にでも。。。

はやくつくりたい

いろんなモノやコトを。。。

*スタッフ募集中。。。https://landscape-niwatan.com/recruit

 

 

 

16th June ,2016

幸せ感からSTAFF募集 JAPAN- Singapore。。。

IMG_1553sharp

久々のjournalになってしまった
最近はといえば、いろんな現場が動き、またそれに伴い様々な反省点もありですが、とても充実した毎日。。。

シンガポールの現場も2件が完成に近づいている
日本の現場も今年に入って数件終わったが、長期の現場はまだ終わらず。
クライアントに恵まれ、お許しをいただきながらできる限りのことすることで進めています

そんなこんなもあり、今年に入ってからはアジアを行ったり来たり。
シンガポール、マレーシア。。。

日本の現場では、東京、滋賀、京都、岡山、広島、いろんなところから仲間が応援に来てくれ助けてもらってる

シンガポールの現場では、インド、バングラディッシュのワーカーが作業を手伝ってくれる

様々な人種、年齢、スキルの仲間と仕事していくうちにいろんなことが見えてくる

あー、自分もこんなころあったなー。。。とか、自分がやってることはこういうことなのか。。。とか。。。。

シンガポールでは、言葉はすべて英語
日本の感覚を英語に翻訳するのはとても難しい

そんな中でも、英語に変換しなきゃ何も伝わらない
日本語で伝えることがどれだけ楽かを思い知ると同時に日本語の便利さと弱点にも気づくことができる

ただ、このことは後日また書きたいと思う

実は、長年構想してきたことがやっとカタチとなって近々 START します
その公表と共にこのことを綴りたいと思います

それより何より、最近感じているのは「幸せ感」。。。
これは、人それぞれ違う

また、環境に大きく左右される

様々な人種の人と交流するうちに、身近な人に伝えたいと思うこともでてきた

それも徐々にですがここに綴りたいと思います

ひとつ、言いたいことは「みんな楽しいことをしてください」
そのとき、勘違いしてはいけないのは「楽しい」と「楽」は対局にあるということ

楽しいことをしよう

そして、その代償に人が味わうことのない自分にしか味わえない苦しさを味わってください
その時に生まれてくる感情こそが、それぞれの個性に変わる
そして、その乗り越え方で次の試練が訪れます
望む人にはより大きな壁が、望まない人には同じ大きさの壁が。。。

どちらにせよ、壁は現れる・・・というか、自分で作り出してしまうんだと思う

だから楽しいことをしてほしいと強く思います
そして、自分もそうしようといつも思ってる

正しいことでもなく、楽なことでもなく、楽しいこと。。。

とっても難しいことだけど

もしかしたらそれを見つけることができないのかもしれないけど

それが「幸せ感」を満喫できる唯一の方法のような気がします

 

 

ということで、STAFF募集しています。。。
https://landscape-niwatan.com/recruit

楽しいことしたい方、見つけたい方の募集をお待ちしています

それと同時に応援にきてくれる職人さんも探しています

一歩が出ない方、その一歩が大きな一歩に変わります

ワクワクする出会いを楽しみにしています

mail[info@landscape-niwatan.com] までお気軽にお問い合わせください。

NIWATAN / Zen

 

 

 

 

 

25th October ,2015

±0。。。

tomodeart_HP
いい庭をつくりたい。。。
その想いがどんどん大きくなっていく

いい庭ってどんな庭なんだろう・・・

様々なクライアントとの出逢い、様々なカタチの庭を作らせてもらった
そんな中で、ずっと考えてきた

もちろんそれは、出逢うクライアントによっても違う
誰がそこに住んでいるのかということは、庭をつくる上で一番重要な要素となる

ただ、誰が住んでもいい庭があるんじゃないか・・・
ずっとそうも思ってきたのです

近年、道具や機械が発達し、技術を見せることは容易い世の中になり、情報もたくさん入るようになった
でも、それにより失っているものが必ずあると俺は思う

 

なぜなら「±0」だから。。。

 

得るものがあれば失うものがある
逆に言えば、失うものがあれば得るものがある

何もない人には何もないんだと思う

もちろん、何がその人にとってベストかはわからない

だからどんな生き方をしようが人それぞれです

 

ただ、人は「何もない・・・」なんてことはないんです
何も気づいてないだけなんだと思う
人は誰しもいいものをいっぱい持ってる
でもそれに気づかない人もとっても多い

たくさん気づいている人は、とっても「いい空気」もってるんだろうな。。。

 

それが「庭」でも同じだな・・・と思うのです

独立したてで仕事がまったくなかった頃、おれはとても面倒見のいい方に拾われた

その方は3年くらいおれに投資をしてくれた

全国いろんなところに連れて行き、食事や寝泊まりはもちろん、多くの人に逢わせてくれた

逢いに行く方たちは、どの方も業界の第一線で活躍する方ばかりだった
話を聞くというよりは、気づけばおれは自分をさらけ出し、自分のことすべてを話しさせられていた
みなさん、聞き上手な方だった
そして、さんざんおれの話を聞きだしたあとに話しをしてくださるんです

たくさんの方とお話していくうちにわかってきたことがあった

「みんな結局同じこと言ってる・・・」

そのうちに、植物も何もかも 生き物ってみんな一緒なんだ・・・ってこともわかってきた

とにかく「もっといい庭がつくりたい」そう強く思うのです

先人がつくってきた庭って

何でこんな空気が出るんだろう・・・大したことしてないのに・・・

そう思う庭が多いのです

 

今の技術、情報は素晴らしい

でも、そのチカラを最大限活かせているだろうか・・・

すべてを活かすことができたとき、それが平成の文化にかわるんだろうな。。。

そんな庭を早くつくりたい。。。

 

強く 強く 思うのです。。。
みえないモノをつくる

それが「日本人」なんだな。。。と

 

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