22nd December ,2011

しっかりと見つめる。。。

最近よく思うことがある。



自分の立ち位置がどこにあるのか、そしてそれは正しい・・・いや、納得できるところなのか。。。



いろんな方にお会いし、もちろん仕事もし、今年もいい仕事に恵まれた。


しかし、それに満足できていないのも事実。


庭をつくるだけが仕事、いや、生き方じゃないから。。。



自分がここに立ち、様々な経験に恵まれ、視野を広げることができている今だからこそわかることがある。




先日からキムジョンイルの死去に伴い、北朝鮮のニュースが頻繁にでてくる。




余計に思うんじゃ。




日本は、いや、世界は北朝鮮を危険な国だと認識している。




日本のメディアもまた、そう報道する。



なぜなのか・・・




それは、世界の流れからはずれとるけーじゃろ。



中国の偽物問題。


これもそうじゃろ。


その国にしか許されていない文化、いや、ほんとは許してないのかもしれないが、現状としては統率できとらんわけで、全体としては許されとる。




みんな、おかしな国じゃとおもっとるじゃろ。。。





でも、よー考えてみ。




みんながふつうに生活し、その中でふつうにしとることが、世界基準からずれとることはたくさんあるんよな。。。




問題はたくさんあるで。



生活も見直そう。



ほんとの幸せって何なんじゃろう。。。



その幸せ観は、おれには見えるけど。。。


おれのまわりの仲間にも見えとる。



しっかり自分の事みつめんといけんなぁ。。。



そのうち、日本はおかしな国・・・



そう、世界から見られるで・・・




そうならんように、おれは前を向いて歩きたいと思う。




来年からそれをカタチにする。



それが正しいことなのか、どうなのか、そんなことはわからん。



でも、悪いことじゃないことはわかる。



一歩を踏み出すことが、重要なんじゃ。




「bakudan」できつつあるし、やる。決めた。




どっちにしても、正念場に突入した。




これくらいじゃないと燃えんし。




やってやる。。。




長ーい眼で、少しでも多くの幸せに気付くことのできる世の中になればいいな。。。

7th December ,2011

視点。。。

今日は、五年前に作ったテナントの庭の手入れをしとった。


そこで、考えさせられる悲しい出来事があった。



そこのテナントは今空いていて、テナントの募集をしている。



そこにテナントの見学者(某会社社長)がきて、コンサルの方と打ち合わせをしていた。




その時、庭の樹を地面から10㎝に伐ってくれと・・・


5年間愛情込めて育ててきた樹木たちを伐れと・・・



その庭は、テナントオーナーがかなりの想いをもっていて、その想いに基づいて作庭した。



作庭前の打ち合わせで、オーナーと言い合いになり、おれは「もうつくらない。どっかの作業員に頼んだらいい。」と言い放った庭だった。

その後、そんなおれに「まいったわ。すべて任せる。一切口出さないからからつくってくれ。」そう言って任せてくれた。

その時、なぜおれが「つくらない」と言ったのか。。。


それは、オーナーの想いとオーナーが考えるデザインがかけ離れていたから。

おれは、自分のデザインを通したかったわけじゃない。


想いをしっかりとしたカタチにしたかったから。。。


おれはいつもクライアントに言う。

「あなたの言う通りにはしません。」と。

ただそれは、勝手に自分が作りたいものを作るわけではない。


しっかりと話を聞いた上で、その想いが最高のカタチになるデザインを発想していく。

素人には、全体のバランスがわかりにくい。

だから、こうしてほしいと言われてそのままのことをしても、「アレッ???」みたいなことが多い。



そこをしっかりと説明し、そうじゃないことを納得してもらう。



だから、「こうしてください。」と言われたら必ず「なぜですか?」と聞く。




その答えが一致すればもちろんそのままそうする。




今日、「10㎝に伐ってくれ。」と言われたので、「なぜですか?」と聞いた。



その人は

「いや、虫も寄ってくるし、管理も大変だし、店の中も見えにくいし、看板も見えないし・・・」


ってほざいとったわ。


おれは、あまりに次元の低い話だと思い、

「10㎝って葉っぱ残りませんね。ない方がましだと思います。」


そう答えた。


そしたら

「そうですよね。全部とったらいいのに。そしたら花でも植えるわ。」

と・・・・・


雰囲気が違う、とかカラーが違う、とか、こんなものつくりたいとか、何か想いがあるならそのようにすればいいと思うけど、想いじゃない。ただ楽にしたいから・・・


呆れて何も言えんかったわ。


何の工夫もせず、取れば楽だから・・・


おれは思った。


この会社、のびんじゃろうなって。



おれは、自分がつくった庭を壊せと言われたことに腹立ったわけじゃない。



必要なくなったら庭もなくなるもんじゃけえな。



おれが気に食わんかったのは、その考えと態度。



まず、そんなに広い庭でもないのに、管理が大変だの虫がくるだの、そんな手間をかける余裕もない、周りを綺麗にもできない人に、人が育てられるんだろうかと思った。


それと、大事に管理しているおれらを目の前に、伐れと言い放つ気遣いも寂しいきもちになった。


おれは、独立してからはじめの三年間、ほぼ仕事がなかった。

その三年間に面倒みてくれた人がいた。

その人が、全国各地のいろんな会社に連れて行ってくれて、いろんなことを勉強させてくれた。


そこで、第一線で活躍している会社で共通していることは、整理整頓、掃除が行き届いていたことだった。


そんな会社って、社員さんもいい顔してた。



おれは思った。



掃除したり、整理整頓したりって、仕事内容を考えたら無駄な作業。

でも、その無駄な作業が人を育てるんだと。


工夫したり、考えたり、気分転換したり。。。そんな中で、人は何かを得ていくんじゃろうなって。。。




だから「手間が惜しいから伐れ。」という発想が、ほんとに悲しかった。



こんなやつが経営者なのかと・・・




とても悲しくなった。。。



作って壊してを繰り返してきた今、考えんといけんことがあると思う。



壊すという選択肢は一番最後じゃとおれは思う。



それまでに、いろんなことを工夫し、ひねりださんといけんと思う。




その工夫が、新たな道を生む。





見えている「視点」をみればいいんじゃんない。



見えてない「視点」を工夫によって探すことのできる会社がどんどん増えたらいいな。。。




そしたらもっともっと楽しいじゃろうな。。。




少なくとも自分はそうありたい。。。

11th June ,2007

モノを大事にする気持ち

ここ二週間は、日曜日は現場を空けています。。。
段取りや、挑戦の日に決めています。。。
時間にゆとりがなくなると、引き出しがなくなってきます。。。
パワーをためなければと思い、日曜日は準備の他に、道具の整備、新たな発想の確認の時間にしています。。。

それはさておき、以前、俺の作庭にとって、一番重要なことの話をしたと思う。
俺が何のために庭を作るのか、作庭する上で何を一番考えるのか。
俺には、庭を世の中の人達に伝えていく役割がある。
いかに愛着を持てる庭を提供できるかが俺の力量にかかっているわけだ。
完成引渡し後、現場に立ち寄った時にきれいに管理されている庭なら成功なのです。

自分のエゴで庭をつくるわけじゃなく、自分がお客様になりかわって、自分の発想を表現するのです。

このお客様には、こんな感じの庭が・・・
そんなことを思って作庭する。
俺の庭には、あまり既製品がない。

そこには、一つのこだわりがある。
完璧にきれいなものに、あまり魅力を感じないんです。
少しゆがんどったり、曲がったりしとるものに魅力を感じてしまうというか、それを生かしたいとおもうんよな。
誰が見てもこう使うってわかりきった製品に魅力を感じんのんよな。。。
俺ならここを使う、他の人なら違うかもなってところに個性を感じる。。。
「石はこう据える」なんて言う人もいるが、それはその人の考え方で、それが絶対ではないと思う。
どんな据え方をしようが、どんな庭の見方をしようが、据える人、見る人の自由だ。

なぜうちに仕事を依頼してくださったのか。。。
なぜそのお客様と出会ったのか。。。
そんなことを考えていると、自分そこに庭を作る意義を考えてしまう。。。
俺がやらなかったら、これはしないだろうな・・・なんて事をどんどん増やしたくなるんです。。。
個性を発揮できる材料をふんだんに使いたくなる。。。

よく、「安けりゃなんでもいいんだよ。」なんて話を聞いたりする。

安いってなんだ。。。

何が安くて、何が高いんだ・・・

もちろん、安いに越したことはない。

しかし、安いからいいってわけでもない。
最低限かかる金額ってのはある。極端な話、10円じゃどうにもならんもんな^^
もちろん、ないお金をつくって無理をする必要はない。
安いもん買って、何気なく見てるより、少しだけ無理して、ずっと眺めていたいものを買うほうが安いんじゃないかな。。。

ただ俺は、そんな時こうアドバイスをする。

「無理する必要はないですよ。ただ、無駄なお金をかける必要もないですよ。お金をかけて喜べないなんてもったいないですよね。納得いく庭を作って、大事に管理してください。一気にする必要もないし、できるときにやったらいいじゃないですか。二度と作り替えなくてもいい、壊したくなくなるものを作りましょう。」

何でも簡単に手に入ってしまうものって、面白みがないんよな。
一所懸命、やっと手に入れることができたものって大事にするもんね。
要するに、モノを買うってことは「気持ちを買う」ってことじゃないかな。。。
何かを手に入れて、幸せな気持ちになる。喜べる。

前に、Aさんが、値段は高いがこの茶入れが欲しいと言った。
Bさんは、どうせあんまり使わんのんじゃけー、そんなに高いのじゃなくていい。と言った。
俺はBさんに言った。
Aさんは、使う使わんは関係ないんよ。

それを買って、持っていることに喜びを感じる。
それを見るたびに癒される。
その幸せな気持ちになれる時間を買うわけじゃろ・・・

庭も一緒なんよな。。。

そんな中、「流れのある庭」でもすでに、完成前の庭をお客様がめちゃくちゃ大事にしてくださっています。
ご主人も帰りが早くなったり、夜中に樹木のことが気になって庭に出たりって話も聞いたりします。。。
先日も、旅行に行かれたらしく、「いろんな庭をみたけど、この庭を見慣れたらなんか他の庭では満足できんかったわ。この庭はのびのびしてていい。」
って言ってくださった。

また一人、いや二人、庭に愛情を注いでくれる人を増やすことができたと嬉しく思う。。。
もちろん、俺の力だけではないが、少し手助けはできているだろう・・・

モノが大事にする気持ち・・・

自分も忘れたくないし、何か少しでも庭を通して伝えていきたいと思う。。。

たぶんすべてにつながってくるんだろうね。。。

14th March ,2007

そういうひとにわたしはなりたい(後編)


私には、不思議なくらいたくさんの良い出会いがあります。

自分に何か足りない時、必ずと言って良いほどそれを教えてくれる人物がフッと現れます。。。



ここ最近、とても親身になってくれるアニキ的存在の方にお世話になっていました。

そのアニキは、なんでこんなに良くしてくれるんじゃろう・・・って思うくらい俺のことをかわいがってくれます。いろんな事を教えてくれる。

アニキにとって俺は何の役にもたてないのに、それどころか迷惑ばっかりかけとるのにアニキはそんなことは構わず、ニコニコしていろんなことをしてくれます。


アニキは、若い頃札付きのワル。。。
停学18回で表彰されたという。。。
鑑別も少年院もいった経験をもつ。。。

校長さんに、「お願いだから辞めてもらえんか。」って頭下げられたくらい悪かったらしい。


目をあわしたら
「おどりゃー、なにガンたれとんなら!!!しばきまわすど~!!!」

目をそらせば
「おどりゃー、なに無視しょうるんなら!!!しばきまわすど~!!!」

と、こんな風だったと周りの人から聞いた。。。


18歳を境にコロッと人間が変わり、仕事に打ち込んだそうだ。

もちろん、いろんな経験をしてきたそうだ。

仕事の話、恋愛の話、人生の話、失敗談。。。すべてをさらけだして笑いながら話してくれる。

アニキもまた、感謝の言葉ばかり口にする。

いろんな人をかばい、とばっちりを受け、それでも文句一つ言わず、ニコニコしている。
曲がった事は大嫌いで、一本筋の通った人。

そのアニキはいつも言う。

「自分が嫌な事されても、そのまま同じように返しちゃいけん。じっと我慢して誤ってくるんをまっとくんよ。誤ってきたら水に流して許してやればええ。わかってくれりゃえ~んじゃけ~。」

と。。。


こんなことも・・・

「「遊ぶ時はあそびゃーえーんよ。その代わり、遊ぶんじゃったらその日食う分くらいは稼いでからあそべ~。自分が動いた分がお金。おいしい思いして稼いじゃいけん。汗水たらして働いた分だけが自分のゼニじゃ。」いうて親父によ~言われたわ~。」
と言いながら、アニキもそうである。。。


それから、気遣いがサイコーにできる人なのだ。








アニキとは二年ほどの付き合いになる。。。

これまた俺が飛び込んでいったんじゃけど、そんな俺を
「お~、わきゃ~のにがんばっとるの~。え~え~。力になるけーがんばりにゃ~!」
って、おもしろがってかわいがってくれた。


そんなある日、俺は失敗をおかしてしまい、そのことでアニキのところに相談しに行った。

「実は~~~~~・・・なんです・・・」

と言った俺に、

「そりゃ~いけんかったな~。まあ、今の時代じゃけ~そういうこともあるわ。そういう人もおるけ~な。ま~、もうえ~が~^^」


といって笑い飛ばし、その上、困っていた事を引き受けてくれた。。。

アニキにとってはマイナスなことなのに。。。


それからもずっと可愛がってくれている。


先月、またアニキに迷惑をかけてしまった。

が・・・

そのときも、少し注意する感じでしかってくれ、その後に・・・
「え~え~、気にすな~。わしがえ~よ~にしとるけ~大丈夫よ~^^」

って笑いとばしてくれた。。。


そのアニキがよく話してくれる。

「みんなが喜んでくれるのがわしゃーうれしいんよ~~~^^」



俺は、何度もアニキやYさん助けられ、勉強させてもらった。


「あ~、すごい人じゃ。俺もあんなひとになりたいな~・・・」


そんな日々が続いたある日、わかばが寄ってきて・・・


「ぱぱ~、きいてきいて~!!!」

「あめにもまけず かぜにもまけず
 ゆきにも なつのあつさにもまけぬ
 じょうぶなからだをもち
 よく(欲)はなく
 けっしておこらず
 いつもにこにこわらっている
 いちにちに げんまいよんごうと
 みそと すこしのやさいをたべ
 あらゆう(る)ことを
 じぶんをかんじょうにいれずに
 よくみききし わかり
 そしてわすれず
 のはらのまつの はやしのかげの
 ちいさなかやぶきのこやにいて
 ひがしにびょうきのこどもあれば
 いってかんびょうしてやり
 にしにつかれたははあれば
 いってそのいねのたばをおい
 みなみにしにそうなひとあれば
 いって こわがらなくてもいいといい
 きたにけんかやしょしょう(訴訟)あれば
 つまらないからやめろといい
 ひでりのときは なみだをながし
 さむさのなつは おろおろあるき
 みんなにばくしょうおう(でくのぼう)とよばれ
 ほめられもされず
 くにもされず
 そういうものに
 わたしはなりたい」




「おぼえたんよ~!!!」





「・・・」





まさにアニキはそういうものなのだ。。。




正直、その時の状況がリアルすぎて、心に響いた。。。




と同時に、一生懸命なわかばの姿に感動した。。。





そういうものにわたしはなりたい

28th February ,2007

そういう人にわたしはなりたい・・・(前編)

最近、毎日出会う人がいる。
その中の一人に、76歳の職人さん(Yさん)がいる。

14歳で志願兵として海軍に入隊し、貧しい時代を生き抜いた職人さんだ。

Yさんはいつも語尾にこんな言葉がつく。

「~さしてもらっている。」
「ありがたいことじゃ。」
「幸せな世の中じゃ。」

出てくる言葉は感謝の言葉ばかり。


Yさんとの出会いは二年ほど前だったと思う。

突然飛び込んだ私に親身になって相談に乗ってくれた。。。


会う度にたくさんの経験を話してくれる。仕事の事、技術の事、生き様など・・・



「わしは14歳で志願して兵隊に入った。20歳で徴兵がかかるが、できるだけ早く入って上の位に上がりたかった。

わしの歳で兵隊いった者はあまりおらん。あの頃は、元気なもんはみんな戦争に狩り出され、残ったもんは老人と20歳以下の子供だけ。。。

お国の為と言って死んでいった者がたくさんおる。


生きて帰るな・・・


そう教育された・・・あんなのうそじゃ・・・でたらめな教育じゃった・・・

「大和」を見送った後、わしの番が来る前に戦争は終わった。もう船も残ってなかったんじゃ。まだ船がのこっとったらわしも配属されとったろう・・・

わしの前に逝った若者らのお陰でこんな贅沢させてもらっとる。ありがたい。。。」


入隊間もなく防府の燃料倉庫がやられたらしい。その頃から、敗戦ムードになっていたそうだ。



「戦闘機がカラスのように大群でやってきて、ショウユ弾を落としていった。
下から大砲で反撃するも戦闘機まで届かんのんじゃ。歯が立たんかった・・・」


・・・


「戦闘機10機に追われ狙撃されたこともある。低空飛行でな・・・
草むらに寝そべって死んだふりをした時、自分を狙撃している兵士と眼があった。あの時の兵士の顔は忘れられん・・・」


・・・


「終戦後も、食えるのは麦飯か芋ばかり。麦飯も、丸麦じゃけー雑炊にせにゃくえんのじゃ。金なんてあっても意味なかった。金があっても物売ってくれんのじゃ。物々交換よ。たまに米にありつけたと思っても雑炊しか食ってないけー、米食ってもよう消化せんのんじゃ。腹壊して。。。」


・・・


「そう思やー今は幸せよ。金で物なら何でも買えるんじゃケー。」


・・・



「日本いう国は幸せな国よ。韓国や中国、インドへも仕事で行ったけど、日本みたいにどこに行っても最低限の暮らしが保障されとる国はないよ。仕事さしてもらえて、給料ちゃんともらえて。ほんまありがたい・・・」



そんな話をたくさん聞いた。。。

ゆっくりゆっくりため息をつきながら話してくれる。

その言葉には重みがある。


「わしは、生きていくのがやっとじゃった。一生懸命仕事してきたが、一つだけ後悔したことがある。。。30半ばまで親方に仕え、20年間小遣いだけで仕事してきた。。。お金がないなったら親方に小遣いもらうんよ。。。お金貯める余裕なんてなかった。。。こっちに戻ってきてここに来て初めて給料いうもんをもろうた。。。うれしかった~・・・もっと早くにこっちへ戻ってくりゃーこんなに貧乏せんで済んだのに・・・もっと計画的に動いて仕事をすればよかった・・・何年後にこうしよう、ああしようというビジョンを持たんといけん。。。」



Yさんは遠くを見つめながらそう言ってくれた。。。



Yさんと話をしていると、いつも心が洗われる。



われら世代の人々は自分の環境に感謝しなくてはならない。




遊ぶ自由も、仕事を選ぶ自由さえなかった人々が大勢いた事を忘れてはいけない。


ニートと呼ばれる人種が増えていると聞くが、挑戦できる環境にあることに気づいて欲しい。。。

何でもできる世の中である事に気づいて欲しい。。。

自分にしか出来ない何かがあることに気づいて欲しい。。。




毎日「死」と向かい合わせの生活をし、生きていくのがやっとだった人々がいることを忘れてはいけない。


仕事ができ、お金がもらえ、それで食べる物が買える世の中に感謝しなくてはいけない。




この幸せな環境に置かれた俺らがそのことを心から理解し、次世代に伝えなくてはならない。。。




親としても、


子供達に贅沢三昧に物を与え、苦労させず、冒険させず育てていくことが、子供にとってどれだけ不幸なことなのか気づかなくてはいけない。。。

何があっても生きていける精神を養ってやる、そして自分もそうなることが本当の優しさなんだと思う。。。




人それぞれそ伝える為の道具は様々だが、




俺にとって、それは・・・


「庭」であり、「わかば会」だと思っている。。。




後編に続く・・・

13th June ,2006

安くいい庭

先日の日記のコメントから私の思い。。。
やはり、皆さん安く良い庭にしたいと思うのが当然で、その辺をどう折り合いつけていくのかというのは課題の一つです。
なるべく安くというのは、私の考え方とすれば、長い眼で見て安く、しかも無駄がないことだと思っています。
いくらその時に安く済んでもやりかえたくなるようでは高いものについてしまう。
一生その庭で満足できるように作るのがもっとも安くつく庭だと思います。
その為、私は、お施主さんとの話し合いになるべく時間をかけるようにしています。

「あせらないで下さい。やろうと思えばどうにでもなりますから、ゆっくり考えて最もいい方法をみつけていきましょう。」といつも投げかけています。

それから、今は撤去にお金のかかる時代です。いかにそこにある捨てられるような物に価値を見出すことが出来るかが私の仕事だと思っています。
それから、いかに現状を壊すことなくイメージを変えることができるか。という事に力を注ぎます。

環境問題も考え、できるだけ自分達でできることはやる。国に頼らず、使える物は使う。
それによって、大事な資源なのにゴミのように扱われる物を大事に使う。長所を引き出す。。。

人によってモノの見方には大きな差があります。
庭のことに関して言えば、それはわれわれ庭師にも問題があります。

値段の高い物がいいものだ。って風潮がありますから。

しかし、金さえ出せばいいものが作れるのであれば誰でもできます。
ゴミのように扱われている物の、いいところを見つけてやれるかが庭師の力量だと私は思います。
私は、そこを目標にしています。
確かに、安ければいいってもんじゃありません。
しかし、無駄にお金を出す必要はありません。

長い眼で安く済む方法をいつも考えて、お施主さんに説明させていただいています。

13th April ,2006

福山 協働まちづくりシンポジウム

昨日の晩、JCさん主催による「協働まちづくりシンポジウム」が開かれた。。。

実質これは、駅前再開発のシンポジウムと言ってよいものだった。。。



我らがわかば会の副頭から招待され、会メンバーのドラゴンひろと、ルーフたかと共に出陣した。。。後でにしにし参戦。。。



話題の羽田市長も出席されていた。。。



まず、このシンポジウムで得たものは・・・

何といっても、パネリストの藻谷浩介氏のお話は、とてもおもしろく、かつ的確でとても勉強になった。。。

これが聞けただけで行った甲斐はあった。。。





しかし・・・



駅前再開発案の浅はかさには愕然とした・・・



4階までが商業店舗の45階建てのマンション???


あほか・・・


33階に共同住宅スカイラウンジ???


馬鹿か・・・

このご時勢に何を考えとるんじゃ???




金持ちの金持ちによる駅前再開発。。。



最悪じゃ・・・



しかも、先のこと考えとるとは思えん・・・

こんなもの建てるだけたてて、廃墟になった時おまえらおらんじゃねーか。。。
おいしい汁だけ吸ってはいさよならか?

これから産まれてくる俺らの孫や、ひ孫が苦労するんじゃ!!!

今の今でも、壊すことに苦労しとるのに、これからそんなもん作ってどうするんな!!!


この規模の大きさは大問題じゃ!!!



羽田市長さんは、この期に及んで「今までの福山の開発はすべてうまくいっています。」だって・・・

うそこけ!!!最近でもロッツは失敗じゃないんか!!!



福山市役所も、色々いっとった。的外れなプレゼンを・・・

いかにも、ちゃんとしてますって感じの言葉を並べていたが、言葉だけを探して並べているのが丸わかり。。。

最悪です・・・



私は思うんです。。。


福山らしいってなんじゃ?

福山の特徴ってなんじゃ?

駅にひっつく福山城じゃないんか?

鞆の浦じゃないんか?

これを生かしてまちづくりするしかないじゃん。。。

それ以外に何がある?

こんな素晴らしい文化をを感じることが出来る空気を駅前に作らんといけんのんじゃないんか???


ランドスケープじゃ!!!


どうせ赤字なら、駅の周りに石積みまくれ!!!福山城お堀復活じゃ!!!城下町福山じゃ!!!

水もはれ!緑も増やせ!森を作れ!!!


お城の中の福山駅(お堀を組み込む。キャナルシティーみたいな)、森の中のホテル、森の中のレストラン、森の中のバー、森の中の銀行、


福山駅から鞆の浦まで船でいくんじゃ!!!それから尾道にいくんじゃ!!!


福山、鞆の浦、尾道を船でつなぐんじゃ!!!


100年計画じゃ!!!


誰もが信じられんような街づくりをするんじゃー!!!!


まちは一気につくるんじゃない!!!

一気になんて良くならない!!!

まちも、庭も、人も一緒。。。



そろそろ気付こうや。。。

軸になるコンセプトをもって、統一性のあるまちづくりをせんと、いつまでたっても作って壊しての繰り返しじゃ。。。



残るものつくろーや!!!




・・・・・・・


しかし、今回のシンポジウムはとても勉強になりました。・・・が、それ以上にガッカリしたのと、危機感がわいてきました。。。


どうなるんじゃろ・・・

7th April ,2006

限りある資源

資源。。。それは、限りあるもの

私たちが使っているほとんどの物は限りある資源で作られています。

便利になって、消費のスピードが加速している今、危機的な状況になってきているようです。。。

最近、こんな事件を知りました。。。


青森県の六ヶ所村にある原発再処理工場のお話です。
ある人が書かれた文章を添付します。




青森県の六ヶ所再処理工場で、3月31日、ついに日本原燃株式会 
社はアクティブ試験(プルトニウム抽出試験)を開始しました。 

4月1日からは、使用済み核燃料をせん断する作業が始まり、排気 
筒からの放射能の放出が始まっているとのことです。 

海への放射能の放出は、「分離」という工程が始まった後、貯蔵タ 
ンクが一杯になった段階で順次始まるそうです。「分離」の開始は 
約半月後とのことです。 

「原発一年分の放射能を一日で出す」という再処理工場。しかも、 
原発や再処理工場から放出される人工放射能は、自然放射能と違っ 
て、体内にとりこまれた場合、体外に排出されにくく、内部被曝の 
原因になってしまいます。 

隣接の岩手県では、県をあげての反対の声があがっているにもかか 
わらず、日本原燃株式会社はそれを無視してアクティブ試験(プル 
トニウム抽出試験)開始を強行しました。日本国内でのプルトニウ 
ム生産には、もはや、エネルギー資源確保という点からも何の意味 
もないにもかかわらず、です。核拡散の観点から、海外からの批判 
も集中しています。一企業のこのような横暴を許していいものでし 
ょうか? 




もう一件。。。



青森県の六ヶ所再処理工場が動き出すと、プルトニウムが分離され、高レベル放射性廃液が海に大量に放出されます。放出される放射能は、1年間で3億3000万ミリシーベルト。これは47000人の経口致死量に相当します。 

 事業者の日本原燃は「ヨウ素は海水濃度に対して魚で30倍、ワカメやコンブなどの海藻類で2000倍」に濃縮されると述べています。また、海に捨てられる放射能は、北海道から千葉まで流れていくことが予測されています。 

 また、大気中には希ガス放射能のクリプトン85が放出され、その年間放出量は、スリーマイル島原発事故時に放出された全希ガス放射能量の3.6倍になります。 

 青森県のりんご、長いも、ニンニクは全国一の生産高で、ゴボウ、ダイコン、サクランボもたくさん生産されていますが、こうした農産物が放射能によって汚染されます。青森県は「県産米は他県の米に比べ2倍の放射線が出る」と予測しています。




詳しい内容については「青森県六ヶ所村再処理工場」で。




これは、原子力発電が引き起こした出来事です。人命に関わる大きな問題です。

無農薬、有機栽培が見直されてきたこの時期に、生産者の努力を一気に吹き飛ばしてしまう深刻な状況です。。。

私は、ある人物と出会い、無農薬、有機栽培で頑張っている全国のたくさんの方とお会いしてきました。もちろん、青森の方もおられます。


上の文章を読んだ時、胸が痛みました・・・


この問題をすべて把握できていないので、直接的な意見は控えますが、電力問題をおこしていることは事実のようです。

そして、こんなことになることは原子力発電を始めた時にわかっていたことでしょう。

後になって、デメリットを小出しにする汚い例だと思う。。。


これが、今の政治か・・・日本の文化か・・・

なめんじゃねー・・・



なんで、こうなる前に危機的状況になるかもしれない事実をはっきりいえんのんじゃ?

これだけ情報化が進んだ世の中で、なんでみんなに伝えることもせんのんじゃ?

こんな状況の中、オール電化を進める企業はどうなっっとんじゃ?。。。
国はどうなっとんじゃ?



もっと、大々的に公表せんといけん事がいっぱいあるんじゃないんか?





この福山でも、鞆の浦の架橋問題、駅前再開発など、様々な問題が山積みです。

この問題でも、どこまで先のこと考えとんじゃ?

橋が架かった50年後は?100年後は?駅前にマンションどーんと建てて50年後は?100年後は?


・・・


ゾッとするわ!!!

産廃の山じゃ。

福山市じゃのうて、廃山市になるわ・・・


みんなで考えて、大事にしていかんといけん事がいっぱいあるんじゃと思う・・・

ほんまのこと、知らにゃいけんわ・・・

5th February ,2006

感動の出来事。。。

昨日、一昨日は、11月に行く予定だった 三原のO邸の手入れ。

四人で二日。。。



ここは、連絡先を載せていなかったこのブログを見て、リンク先の藤井製瓦さんに電話して、連絡を下さったお客様。。。


いつもお客様には説明するのですが、

「鋏の入れ方、手入れ方法はこちらにすべて任せてください。さわる樹もあればさわらなくて良い樹もあります。すべてをこちらに任せてもらいます。」

そういうことで、依頼をお受けした。。。



庭が大好きなお客様ですが、ここで今回感動の出来事が・・・

ここには六本の松がありますが、その内の一本が松枯れにかかっていた。
12月から症状が現れ、その時も見に行ったが、かなり症状が進み瀕死の状態。。。

この時期に松枯れの症状がでてくるのは今まで経験がない。


こんな寒い時期にマツクイの症状がでるんだろうか・・・
最近あったかかったから、可能性がなくもないかもしれない・・・

枝枯れ病、赤枯れ病、いろいろ考えてみたが、枯れ方、ヤニの抜け方からやはり松枯れと判断。。。

他の松に被害が及ぶのを防ぐ為、伐採を提案。。。

とても庭を大事にしていらっしゃるお客様で、一本の松枯れの木を伐採するかしないかでかなり悩まれた。。。。



私はそのお客さんの姿を見て感動した。。。


だいたい一般的には、「仕方ないから伐ってください。」というケースが多いが、瀕死の樹、しかも、もう戻る事はないだろうとこちらが判断した樹をどうにか生かせないかと何日も悩むお客様は少ない。。。


私は、自分の判断を説明し、最後の決断をお客様に委ねた。


が、なかなか結論がでない。


私は、「ゆっくり考えてください。何なら、樹に登ってみてはどうですか?」と提案した。


脚立をかけ、お客さんが登っていく・・・


「・・・」


「伐ってください・・・」



何度も何度も「もう駄目ですよね・・・」と自分に言い聞かせているようでした。。。



私は「わかりました。お酒を用意してください。」と答えた。。。




松に、

「お疲れ様。どうにもできなくて悪かったね。。。ゆっくり休んでくれよ。。。」

と心の中で言いながらお神酒をまいた。


そして伐採・・・



その後、お客様が「もっと早く気づいてやれば・・・悪い事をした・・・」と。。。




私はこう言った。

「これだけ大事に思われている樹もそんなにはないですよ。充分伝わっていると思いますよ。その気持ちだけで松も救われますよ^^」






手入れも終え、綺麗になった庭を見たお客様が、最後に・・・

「こんな鋏の入れ方をする庭師さんははじめて見ました。気に入りました。綺麗で丁寧な仕事をありがとうございました。これからもよろしくお願いします。」



最高のお言葉を頂き、ホッとしてここを後にした。。。

31st January ,2006

イサムノグチ、谷口吉郎、重森三玲 シンポジウム

1/28、29に、岡山に行ってきた。。。



今日は、初日の出来事から。。。



イサムノグチ 谷口吉郎生誕100周年記念
   「美の鼓動、永遠に」萬來舎(ばんらいしゃについてhttp://www.keio.ac.jp/staind/219.htm)写真展

のなかの、

1/28  「伝統とモダニズムの融合~谷口吉郎、イサムノグチ、重森三玲の足跡をとおして~」シンポジウム

1/29  「重森三玲作 庭見学会」

に参加。。。


1/28のシンポジウムは、驚きのパネラー陣でした。

由良滋さん(建築家、谷口吉郎のお弟子さん)
金重晃介さん(陶芸家、人間国宝 金重陶陽のご子息)
重森千青さん(造園家、重森三玲のお孫さん)
杉山真紀子さん(東北芸工大講師、谷口吉郎のご子息)
高山雅之さん(岡山県郷土文化財団)
浮田隆司さん(万成石 山元)

秋元雄史さん(直島地中美術館館長)




シンポジウムは、一昨年に解体されてしまった萬來舎についての話だった・・・


現在は、新萬來舎として生まれ変わった。

デザインも多少変更されてしまった。。。

が・・・これからは新萬來舎も、谷口吉郎、イサムノグチの作品として世に知れ渡ってしまうのであろう・・・


そこに待ったをかけたのが今回の企画であった。。。



今の時代は、なんでもすぐに壊して、新しいものに変えてしまう。
もちろん、すべてが悪いなんて言わない。。。


でも、壊したものは、もう二度と作ることができないんだ・・・


壊してしまったらそこで終わってしまうんだ・・・


谷口の思いは?ノグチの思いは?新しいものには入ってないはずだ。。。

手がけてないんだから・・・


それでも世の中では新萬來舎を谷口やノグチの作品として見るのであろう・・・


私は、ものづくりをする人間の一人として、あまりに心が痛む・・・


世の中には、そんなあいまいな情報が溢れている。。。



今、ノグチや、谷口、三玲、ガウディ・・・彼らが作った物を見てどれだけ多くの人々が考える機会を与えらているだろう。

どれだけ、感動をもらっているだろう。。。

彼らの人生を考え、自分の今を見つめなおす。。。


私たちは、先人が残したものから多くのことを学んでいるじゃないか・・・



このシンポジウムで、一番心に響いた言葉・・・

「ノグチが好まれる理由は、タイムレスデザイン。それは永遠なんだ。壊されちゃいけないんだ・・・」

由良さんの悲痛な叫びでした・・・


そう、タイムレスデザイン。時代に関係なくいい、流行に左右されることのない永遠のデザイン・・・



壊したらおしまいなんだ・・・

いいものは伝えていかなきゃ文化が無くなるよ・・・

気づいた時にはもう遅い・・・

人に感動を与えるものは、いつか誰かの役に立つ。。。

きっと・・・

100年先、いや1000年先かもしれない・・・

それでもいいじゃないか。。。


今を生きる自分達のことばかり考えないで、子供や孫、未来の人類に残そうよ・・・

俺たちの生きた証を・・・



いいものつくろうよ・・・

いいもののこそうよ・・・



ものを大事にしようよ・・・

心を大事にしようよ・・・


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