ヤマモモ
応援で、植栽工事に行った。
以前、家を建て直すということで、預かっていた樹木7本、新たに植えるもの3本、
やまもも、イタヤカエデ、枝垂れ梅。
大物は、アラカシとやまもも。
アラカシは、春に掘って帰っているので細根がよくでていた。
問題はやまももだった。何十年か前に植えられて一度も掘っていないのである。しかも、ヤマモモの場合は時期的にあまり良くない。ヤマモモは寒さに弱い木なんです。春に掘るほうが安全だと思っています。秋の方がいいって人もいるけどね。。。
お客さんがどうしてもこの木がいいと言ったそうです。工事の段取りの関係で今しか植えれないので、枯れてもいいからやってみてくれ。と。
木を愛してくれるいいお客さんだった。こんなにこのヤマモモが好きならと、一生懸命掘った。掘ってみると、案外太い根は出ておらず、これなら大丈夫かもしれない。と思った。写真は積み込み作業中。
木の移植は難しいようで簡単、簡単なようで難しい。生き物相手ってのは、言い訳のように聞こえるが、実際そうである。これなら大丈夫って思ったものが枯れたり、これは厳しいかもっておもったやつが元気に育ったり、ほんとに不思議なことは多いんです。
要は、バランスなのですが、私は正直「運」もかなりあると思う。その日の天気、気温、湿度すべてが関係してくるんです。特に根っこ。乾くと良くないんです。
バランスってのは、木は根っこで養分、水分を吸い上げ、枝葉に供給する。根っこと地上より上とのバランスがとれたものは、伸び伸びと育ってくれるんです。根っこを切った時には上も透かしてやらないといけない。残った根っこが吸い上げる養分で生きていける程度の枝葉にしてやらないといけないんです。
逆に、植わっている木をめちゃくちゃに切ると、根っこが上げる養分が有り余って偏って枝葉に伝わり無茶苦茶にのびるんです。いじけるんです。
要は、バランス。。。
よく、「移植ってのはいつがいいの?」って聞かれるんですが、木によって、最も良い移植時期ってのは違うんです。もちろん、それ以外は無理って事はないんですけどね。古木の場合は気をつけないと枯れてしまったりするけど。。。
私は移植の時、いつも思います。「頼む。元気に育ってくれよ。」って。愛情って木にも伝わると思うんです。むしろ、植物達の方が正直なような気さえしてきます。植えるまでに最善を尽くし、あとは木の生命力にまかせるしかないんです。もちろん、ケアは必要ですけどね。水遣りとか、場合によっては肥料とか。
ほんと、人間みたいでしょ。
ヤマモモは、明日現場に植えにいきます。
「頼む。がんばって根付いてくれよ・・・」