05.2月.2006

感動の出来事。。。

昨日、一昨日は、11月に行く予定だった 三原のO邸の手入れ。

四人で二日。。。



ここは、連絡先を載せていなかったこのブログを見て、リンク先の藤井製瓦さんに電話して、連絡を下さったお客様。。。


いつもお客様には説明するのですが、

「鋏の入れ方、手入れ方法はこちらにすべて任せてください。さわる樹もあればさわらなくて良い樹もあります。すべてをこちらに任せてもらいます。」

そういうことで、依頼をお受けした。。。



庭が大好きなお客様ですが、ここで今回感動の出来事が・・・

ここには六本の松がありますが、その内の一本が松枯れにかかっていた。
12月から症状が現れ、その時も見に行ったが、かなり症状が進み瀕死の状態。。。

この時期に松枯れの症状がでてくるのは今まで経験がない。


こんな寒い時期にマツクイの症状がでるんだろうか・・・
最近あったかかったから、可能性がなくもないかもしれない・・・

枝枯れ病、赤枯れ病、いろいろ考えてみたが、枯れ方、ヤニの抜け方からやはり松枯れと判断。。。

他の松に被害が及ぶのを防ぐ為、伐採を提案。。。

とても庭を大事にしていらっしゃるお客様で、一本の松枯れの木を伐採するかしないかでかなり悩まれた。。。。



私はそのお客さんの姿を見て感動した。。。


だいたい一般的には、「仕方ないから伐ってください。」というケースが多いが、瀕死の樹、しかも、もう戻る事はないだろうとこちらが判断した樹をどうにか生かせないかと何日も悩むお客様は少ない。。。


私は、自分の判断を説明し、最後の決断をお客様に委ねた。


が、なかなか結論がでない。


私は、「ゆっくり考えてください。何なら、樹に登ってみてはどうですか?」と提案した。


脚立をかけ、お客さんが登っていく・・・


「・・・」


「伐ってください・・・」



何度も何度も「もう駄目ですよね・・・」と自分に言い聞かせているようでした。。。



私は「わかりました。お酒を用意してください。」と答えた。。。




松に、

「お疲れ様。どうにもできなくて悪かったね。。。ゆっくり休んでくれよ。。。」

と心の中で言いながらお神酒をまいた。


そして伐採・・・



その後、お客様が「もっと早く気づいてやれば・・・悪い事をした・・・」と。。。




私はこう言った。

「これだけ大事に思われている樹もそんなにはないですよ。充分伝わっていると思いますよ。その気持ちだけで松も救われますよ^^」






手入れも終え、綺麗になった庭を見たお客様が、最後に・・・

「こんな鋏の入れ方をする庭師さんははじめて見ました。気に入りました。綺麗で丁寧な仕事をありがとうございました。これからもよろしくお願いします。」



最高のお言葉を頂き、ホッとしてここを後にした。。。